2015年03月01日

物語ウクライナの歴史



第一章 スキタイ−騎馬と黄金の民族
第二章 キエフ・ルーシ−ヨーロッパの大国
第三章 リトアニア・ポーランドの時代
第四章 コサックの栄光と挫折
第五章 ロシア・オーストリア両帝国の支配
第六章 中央ラーダ−つかの間の独立
第七章 ソ連の時代
第八章 三五〇年間待った独立

 スキタイから現代に至るまでのウクライナの歴史を俯瞰的に綴っています。如何に大国の狭間でウクライナという地域が苦しんできたのか良く分かります。と,同時にコサックという存在の存外の大きさが面白い。また,意外にユダヤ人に寛容な地域だったという特性も初めて知りました。ウクライナやその首都キエフは昔から憧れの場所でありながら,如何にその地域を知らなかったかということを思い知って恥じるばかりです。古代や中世にも大きく頁が割かれているのは嬉しい。ソ連邦から分離独立したこともあってロシアの一部という印象が強いウクライナですが,歴史経緯からはロシアとはまた違う独自の立ち位置があることが理解出来ます。とは言え,やはり複雑な変遷を経ているので分かり難い部分もあります。ウクライナという言葉の原義は「辺境」或いは「土地」であるらしいが,どちらの意味かによってロシアとウクライナ双方の受け取り方の違いを如実に示しているように思います。個人的にはやはりウクライナとロシアの双方が祖とするキエフ・ルーシへの興味が深まりました。ヴォロディーミル聖公とヤロスラフ賢公は今後も調べていきたい人物であります。また,コサック時代のフメリニツキーやイヴァン・マゼッパといった指導者も面白そう。いずれにしても,ウクライナへの興味を更に駆り立てられる本でありました。
posted by 森山樹 at 12:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍