2019年06月19日

Cuvie『エルジェーベト(2)』



オーストリア皇妃エリザベートの活躍を描く歴史活劇の第2巻。
概ね史実に沿ってはいますが,割と脳筋なエリザベートの活躍が素敵。
というか,毎回1度は必ず体を鍛えている場面があるような気がします。
まあ,これも史実通りで間違いはないのですけれども。
流石に毒刃を仕込んだ鉄板入りの靴は史実とは異なる筈。
彼女であれば意外と史実かもという懸念がないわけでもないのですが。
時代としては普墺戦争のほぼ直前といったあたり。
皇帝マクシミリアンがメキシコ皇帝となっているので1864年以降ではありますね。
ビスマルクやガリバルディも名前だけで登場しました。
いや,ガリバルディは一コマだけ描かれていたかな。
いずれにせよ,ハプスブルク朝末期の混迷期に直面しています。
今巻はハンガリー独立に係る物語は一時棚上げと言った感じ。
皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に対するテロの背後関係が気になるところです。
歴史的には凋落する一方のオーストリアを如何に皇帝が支えるかが楽しみ。
本来であれば帝国崩壊の一端を担ったエリザベートが如何に描かれるのか期待します。
少なくとも本作ではあまり奢侈なところは見せていないですからね。
しかし僅かに登場したルドルフ皇子はマイヤーリンク事件のあのルドルフなのか。
複雑な想いをしてしまいます。
posted by 森山樹 at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 史劇(漫画)

2019年06月14日

大西巷一『乙女戦争(12)』



フス戦争の時代を舞台とした『乙女戦争』の最終巻です。
史実通りにリパニの戦いでの急進的フス派の壊滅をもっての終結となりました。
分かってはいましたが非業の死を遂げる人物たちの描写はやはり辛い。
但し,主人公のシャールカにとっては一定の幸せを迎えたように思います。
苦難というか激動というかの人生を送ってきた彼女には救いでありましょう。
そのシャールカの夫はヨハン・フニャディ。
即ち,『ヴラド・ドラクラ』に登場するフニャディ・ヤーノシュです。
こういった異なる物語に連続性を感じられるのが史劇の楽しさと言えます。
『乙女戦争』と『ヴラド・ドラクラ』での彼の描写の違いが興味深いところ。
『ヴラド・ドラクラ』では子のマーチャーシュ・コルヴィヌスが主となりそうですが。
フス戦争という歴史上非常に大きな出来事を描き抜いてくれたことに感謝を。
この作品での狡猾で悪辣で,でも憎めないヤン・ジシュカが大好きでした。
出番は少なかったけど神聖ローマ帝国皇妃のバルバラもね。
今後は『乙女戦争』の外伝の連載が始まる模様。
如何なる物語となるか詳細は不明ですが,期待したいと思います。
タグ:欧州史
posted by 森山樹 at 05:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 史劇(漫画)

2019年06月10日

大窪晶与『ヴラド・ドラクラ(2)』



国内貴族との対立が遂に限界を迎える『ヴラド・ドラクラ』の第2巻です。
ラースロー5世やマーチャーシュ1世らが登場するのは嬉しい。
ダン・ダネスティも登場しましたが,彼の反乱は次巻以降かな。
フニャディ・ヤーノシュも回想として姿を見せましたね。
抗オスマンの英雄としての活躍も描いて欲しいものです。
また,“串刺し公”として悪名を轟かせるヴラドの所業もありました。
但し,残虐性からではなく理性からという描き方が面白い。
敵としては戦意を喪失することでありましょう。
尤も,忠臣の横死に対する報復といった側面も否めないのではありますが。
そろそろワラキア公国の内紛問題は解決に向かうのかな。
今後はハンガリー,モルドヴァ,オスマン・トルコとの対峙ということになりそう。
メフメト2世あたりが如何に描かれるのかが楽しみであります。
タグ:欧州史
posted by 森山樹 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 史劇(漫画)

2019年06月09日

大窪晶与『ヴラド・ドラクラ(1)』



ワラキア公国のヴラド3世の生涯を描く歴史漫画です。
現時点ではワラキア公としての即位から国内貴族との政争が中心。
モルダヴィア公国で後に大公と呼ばれるシュテファンも登場します。
オスマン帝国はメフメト2世,ハンガリーはラースロー5世の時代ですね。
尤も,ラースロー5世は直ぐにマーチャーシュ1世との戦いになるわけですが。
大国の狭間で苦しむ小国ワラキアの情勢が面白い。
そのうちにダン・ダネスティとの戦いも描かれることになるのかしら。
気になるのはヴラド3世の2回目の即位から物語が始まっていること。
1回目の即位は回想の中で徐々に描かれるのかな。
フニャディ・ヤーノシュあたりが如何に描かれるのか楽しみです。
本作で描かれるヴラドの恐ろしいまでの冷静沈着さが素敵。
いずれは“串刺し公”との悪名を得るわけですが。
残虐性よりも逆に理性の賜物であったように感じてしまいます。
何はともあれ,この先の展開が楽しみ。
ヴラドの生涯を何処まで描くかを含めて大いに期待したいものです。
タグ:欧州史
posted by 森山樹 at 20:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 史劇(漫画)

2019年06月06日

Cuvie『エルジェーベト(1)』



オーストリア帝国の皇妃エリザベートを主人公とした作品。
ウィーン宮廷で孤立した彼女の流転の運命が語られます。
個人的にはハンガリーが舞台となるのが大変に好み。
アンドラーシ・ジュラも登場して,二重帝国あたりまでは描いて欲しいですね。
エリザベートが主人公という関係上ゾフィー皇太后が悪役なのは仕方がないかな。
因みにエリザベートがマリア・テレジアを思慕していたのは史実です。
割と対照的な人生を歩んだ皇妃なのですけれどね。
エリザベートと交流のあった狂王ルートヴィヒ2世も登場することでしょう。
19世紀末のハプスブルク朝という舞台設定は大好物です。
ウィーンに戻ることになるならフランツ・ヨーゼフ帝の出番も増えるかな。
今後が如何なる描かれ方がされるのか楽しみにしています。
タグ:欧州史
posted by 森山樹 at 20:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 史劇(漫画)